明治8年開校以来、143年の歴史を誇った桃園小学校も今年度で閉校になります。この間、幾多の困難を乗り越えてこられた歴代校長先生はじめ教職員、保護者、地域の皆様のご尽力は並々ならぬものであったろうと敬意を表するものであります。
昭和27年には夏期施設として5年生の教育キャンプが神奈川県秦野市蓑毛でおこなわれましたが、そのキャンプ場を先々代の大石写真館(高光氏)の呼びかけで、区内の教職員と保護者が手弁当で整備にあたったと聞いています。現在、キャンプ場への登山道入口には「東京少年キャンプ連合発祥の地」と刻まれた少年像の碑が立っています。また開校100周年では、桃園のためならばと約800名から1200万円余の協賛金が集まり盛大に祝賀会が挙行されました。校内の桃園黌の石碑はその時寄贈されたものです。いかに桃園小学校に親愛の情を持っていたか伺い知れます。まさに心の拠り所、「地域の核」であったのです。今でもその思いは生き続けていることでしょう。その母校が閉校になるとは惜別の念に耐えません。
ところで2年後には再び小学校がこの地に戻ってきますが、母校の精神は引き継がれることと確信しています。新校でも明るい未来を信じ、関係者皆様方ご理解ご協力の下、新たな歴史と伝統のある学校を作り上げていかれることを祈って、閉校によせる挨拶といたします。
同窓会長 清水好博